極限までスポーツ性能を引き出す目的で開発されるレース専用パーツは、その代償として日常の快適性を失います。こうした専用パーツをそのまま市販車へ装着するだけでクルマの性能が上がり、誰もがスポーツ性能を堪能できるかのような間違った解釈で「チューニング」が語られることのないよう、真のチューニング(=調律)によって得られる速さ、操作性、快適性、そして安全性を、日本の道路事情の中で存分に発揮できる性能を生み出すことがコックスのチューニングポリシーです。そしてこのポリシーから誕生した製品によってコックスは、日本における真のチューニングビジネスの先駆者として認められ、COXブランドを確立しました。
その後1997年にはチューニングビジネスだけに留まらない、クルマに関わる新しいビジネススタイルを目指し、社名を現在の「コックス株式会社」へ変更。長年に渡るモータースポーツ関連事業(F3000参戦、レース車両製作、事務局運営、競技規則立案、サブコンストラクター、プロモーター etc.)の経験と実績から得た企画力/開発力等の熟成によって、自動車メーカーをはじめとした多くのクルマ業界より高い評価をいただき、広い範囲で「クルマ」に関わる事業を今日まで展開しています。
2005年「電気自動車 Q-CAR Q-VOLT」車両製作
2016年「ファイナルファンタジーXV The Audi R8 Star of Lucis」
ホイール製作
製品開発の主な実績には、自社ブランドであるCOX製品の展開はもとより、アウディ ジャパン正規販売店にてお求めいただいていたアウディ向けスポーツパーツブランド「Audi Sports Performance by COX(略称:ASP by COX)」製品の開発や、さまざまな企業へのOEM製品開発等が挙げられます。また、ヤマハ発動機の発明によって誕生し、複数の国内自動車メーカーが市販車へ採用している革新的自動車パーツ「ヤマハ パフォーマンスダンパー」を、世界で初めてアフターマーケット向けの単一商品として展開するにあたり、コックスのチューニングスキルの一つである車両解析能力が認められた結果「COXボディダンパー」の名称で2006年7月より発売を開始。これまでにVW、Audi、BMW、Porsche等さまざまな車種用製品を専用設計にてリリースしています。
モータースポーツ事業の展開では、フォルクスワーゲンやポルシェによる各ワンメイクレース事務局の運営、そしてスーパーGTやスーパー耐久へ参戦するポルシェのレースカーメンテナンスに加え、一部のPorsche製レースカーの販売とPorsche製レースカー専用パーツの販売を、本国ドイツPorsche AGより正規代理店としての承認を受け展開しています。また、レースイベントのプロモーター活動としては、2002年より本国フランスのみで開催されてきたヒストリックカーレース「Le Mans Classic」の日本大会を2005年に初開催。以降は1年毎に本国との継続的な交互開催を実現しました。
こうした「クルマ」に関するさまざまな活動を通じて、わたしたちコックス株式会社は、これからも「クルマ」を題材とした総合的かつ多角的な活動によって、そこから無限に溢れる夢や可能性を具現化する独創的な企業として、既成概念に捕われないアイデアと共に日本のクルマ文化の未来を創造し続けます。